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感想・書評『罪の声:塩田武士著』ネタバレ注意「確かに読者をひきつける魔力がありました」(レビュー)。 #読書

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「罪の声」は確かに読者をひきつける魔力がありました。 塩田武士著

残念ながら本屋大賞を得られなかった「罪の声」。本屋さんがノミネートするくらいの本で、塩田武士はこの本を書くために生まれてきたなどと評判も高く、強い興味を持って読んでみました。未解決事件となった「グリコ森永事件」のフィクション作品です。

フィクションとはいえないほど、事件の片隅まで調べ上げ、実際はそうだったのかも知れないと思ってしまうほど詳細に綴られています。この本の最大の魅力は事件の犯人が誰だった、事件の真相はこうだったという点ではありません。事件に巻き込まれた家族、特に子供たちの人生の狂いようにスポットがあてられています。親が間違いを起こさなければ、人生は狂っていなかっただろうに。夢を叶えるべく歩んでいた子供が道を外すことはなかったろうにという記述は、子を持つ私の胸にグサリと突き刺さります。道を外れた子供の人生は二度と希望の道に帰ることなく、新しい道を歩もうとしても過去の親の罪を引きづったまま生きていきます。人生どうなるか分からない。成功もあれば失敗もありますが、罪を犯してしまうと二度と元には戻らない怖さ、それが自分だけに降りかかるものではない。家族、周りの人間にまで及ぶ怖さを知る一冊でした。