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感想・書評「ヨーレのクマー:宮部みゆき・佐竹美保」ネタバレ注意・山に住んでいる怪獣のクマーは、悪い怪獣たちからヨーレの町を守っているいい怪獣です(レビュー)。 #読書

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「ヨーレのクマー」 宮部みゆき・著 佐竹美保・絵

日本を代表する人気作家である宮部みゆきさんが手がけた絵本ということで、興味が沸いて手に取ってみた作品です。
山に住んでいる怪獣のクマーは、悪い怪獣たちからヨーレの町を守っているいい怪獣です。しかし体が透明なので、ヨーレに暮らす人々はクマーの姿が見えないし存在にも気づいていません。ある時、悪い怪獣との闘いで負傷したクマーは、魔法の角が折れてしまったせいで透明ではなくなってしまいます。その姿を見た人間たちは、怪獣がいるから退治しよう!と一斉にクマーを攻撃してきたのでした。
誰にも見られないように水の底に沈んでいくクマーの深い悲しみが伝わってきて、胸が締め付けられる気持ちになるラストシーンでした。悪い怪獣と容姿が同じだったばかりに、その内面の善良さに目を向ける者は誰もいません。クマーの正義もなかったことにされた展開に、とてももどかしさを感じます。本当のことは最後まで誰も知らないまま、間違ったことが真実となったままの世界にうすら寒さを覚え、考えさせられる奥深い一冊でした。