「賛歌」篠田節子著 才能っていったいなんだろう?
とあるテレビ番組放送局に勤める男が「心の琴線に触れる」ようなチェロを演奏する女性に出会います。彼女はヴァイオリニストとしてアメリカ留学時代に精神的に不安定になり自殺未遂してその後遺症から20年も寝たきりだったのだが、ふとしたきっかけから楽器をチェロに変えた事で才能が開花したかのように思われたのだが、実は彼女には才能などなく彼女と愛人関係にあったレコード会社の社長の戦略によって「天才チェリスト」として売り出されただけだったのか・・・
私も音楽関係の仕事をしていて「才能とは何だろう」とずっと考えています。そしてこの作品を読んで、結局才能なんてものには定義はないのかも知れないな、と思うようになりました。一部の専門家に認められ大絶賛されているが知名度が低い演奏家、専門家には酷評されても一般市民に支持される演奏家、これはどちらも質の違う才能だと思います。しかしながらこの作品の主人公のチェリストは最後まできっと自分には才能がないのではないだろうか?と言う恐怖と対峙していたわけで、これは本当に不幸としか言いようがない気がします。篠田節子女史の作品にはクラシックの演奏家を主人公にしたものが沢山出てきますが、楽曲説明の的確さにはいつも驚嘆します。
ありがとう寄稿。
残忍で冷酷に見えた恵美子先生は、本当は誰よりも臓器提供の為だけに生まれてきた人間を失くしたいと思っていた優しい人だと分かった事が感動しました。
わたしを離さないで最終回/ドラマ感想&あらすじ・壮絶な内容で陽光のかつての校長恵美子先生(麻生祐未)が病気になり医者に「提供を受けますか?」と質問されるシーン(ネタバレ注意)。 #DRAMA - みんなの芸能ブログ。