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感想・書評『上野池之端 鱗や繁盛記・西條奈加』ネタバレ注意「若旦那が、店を盛り返そうと、奉公人と一緒に努力」(レビュー)。 #読書

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「上野池之端 鱗や繁盛記」 西條奈加・著

だまされて江戸に奉公に出てきた13歳の少女・「お末」の奉公先が「鱗や」です。料理茶屋ですが、3流の店になり果てていました。
婿入りしてきた若旦那が、店を盛り返そうと、奉公人と一緒に努力していきます。ここまで読むと、そうか~店を盛り立てていく繁盛記かと思いますが、実は「仇討ち」が、隠されていたのです。
初めてそれがわかった時にはびっくりしました。物語が俄然生きて動き出すのです。どういうことか?どうなっていくのか?興味が膨らみ、読んでいく速度が上がっていきます。
婿に入った若旦那は、実は「仇」を討つために、入り婿になってきたのです。名店と言われていた昔を取り戻す努力が実り、粋なもてなしが通人のうわさになるころに、「鱗や」の秘められた過去が表に現れてきます。
八年に一度咲くと言われる「八年桜」が、物語の象徴として、描かれます。若旦那が犯してしまった「仇討ち」のための罪が裁かれ、「遠島」から戻ってくるときに、改めて「八年桜」に代表される「鱗や」の繁栄が戻ってくるのです。