感想・書評『ぶたぶた洋菓子店矢崎在美』ネタバレ注意「人気のお菓子屋さんのパティシエの秘密を探ろうとする高校生男子」（レビュー）。 #読書

ぶたぶた洋菓子店矢崎在美こんなお菓子屋さんに行ってみたい

今回、紹介する『ぶたぶた洋菓子店』は矢崎在美さんのぶたぶたシリーズのひとつです。
街で評判の洋菓子店。お菓子のコンクールに出るため、その人気のお菓子屋さんのパティシエの秘密を探ろうとする高校生男子がいます。実はそのパティシエはぶたのぬいぐるみの山崎ぶたぶた。
シリーズのひとつでもありますし、店名がフランス語でぶたを意味する「コション」なので、シリーズを通した読者にはパティシエの正体がわかっていたりします。ぶたぶたは過去にもいろいろな仕事についていますが、その正体がぬいぐるみだと知ったときの登場人物の驚きもお馴染みのものになっています。
いろいろな仕事のなかでも今作はパティシエ。ぬいぐるみがお菓子を作っている姿をイメージするだけでかわいいのです。
また、ぶたぶたはかわいい姿とはうらはらに、しっかりとした大人です。お菓子のコンクールに出ようとする高校生たちに的確なアドバイスもします。ぶたぶたの魅力はかわいいだけではなく、誠実な性格もあるように思います。
個人的に矢崎在美さんの食べ物の表現が本当に美味しそうに思えるところが好きです。特に今作は際立っています。こんなお菓子屋さんがあったら、通いたいと思わせるものです。