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感想・書評『古書カフェすみれ屋と本のソムリエ:里見蘭』ネタバレ注意「作品の最大の魅力は新しい本を知ることができることだ」(レビュー)。 #読書

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『古書カフェすみれ屋と本のソムリエ』 里見蘭

この作品自体はシリーズの一作目だが。読むのは二作目になる。先にこの本の続編を読んで気になっていた本だった・古書カフェ「すみれ屋」はオーナーでシェフであるすみれと、カフェの一角にある古書スペースで働く紙野がこの物語の中心人物だ。全部で五編からなり、つながっていはいるもののそれぞれ独立して話が展開している。
この作品の最大の魅力は新しい本を知ることができることだ。「すみれ屋」を訪れるお客さんは恋人のこと、子供のこと、家族のこと、様々な悩みを持ち、オーナーであるすみれに話す。その話を聞いてすみれが華麗に解決する、のではなく、紙野がそれぞれのお客さんに本を差し出す。不思議とその本は彼らの悩みを解決するヒントを与え、次にお客さんは晴れ晴れとした顔で再び「すみれ屋」を訪れるのだ。
そういった話の構成のため、実在する本がいたるところで出てくる。そのうえ、どのような本かという紹介付きなので、何か面白い本を知りたい、という人にもピッタリなのだ。
また、この作品はそれぞれの悩みが解決して終わる、それもきれいな形で解決して終わる。ほっこりと、暖かい気持ちになれる作品だ。
個人的に好きな話は「百万円の本」。真相はすぐに察しが付く。しかしすみれに「本当に百万円で売るつもりだったのか」と問いかけられた後の紙野のセリフが印象的だ。