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感想・書評『富子すきすき:宇江佐真理・著』ネタバレ注意「吉良上野介の妻である「富子」から見た、「忠臣蔵」の話」(レビュー)。 #読書

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「富子すきすき」 宇江佐真理・著

時代小説の名手「宇江佐真理」の短編集です。
この本の題名にもなっている「富子すきすき」は、「吉良上野介」の妻である「富子」から見た、「忠臣蔵」の話です。
「富子」にとっては「上野介」は、ふつうの優しいだんなさまでしかなかったのに、いったいどうしてこんなことになってしまったのだろうか?が、描かれています。
「忠臣蔵」の事件で、得をしたものなど誰もいない!建前や体裁など関係ない。私にとってはたった一人の優しい夫だったのにと、富子は嘆くのです。
目の付け所が新鮮で、「富子」というふつうの妻の嘆きが、良く描かれています。この事件によって、彼女の息子も、孫も、不遇のうちに亡くなってしまうのです。
かの有名な「忠臣蔵」に関する著作は、たくさんありますが、「上野介の妻」からの視点で描かれたものは、初めてです。
時代物の名手「宇江佐真理」の傑作です。
他には、「俵藤太のムカデ退治の帯」にまつわる因縁話。親のない子供を、たくさん引き取って育ててくれた「鎮五郎」の「堀留の家」の子供たちにまつわる話など・・
一作一作が、心温まる江戸の人々の暮らしを描き出しています。