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感想・書評『銀河の通信所。長野まゆみ 薯』ネタバレ注意「宮沢賢治への特別インタビューも載っています」(レビュー)。 #読書

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銀河の通信所。長野まゆみ 薯。

この物語は、故人との交信に成功した銀河通信社の配信記事で構成され、宮沢賢治への特別インタビューも載っています。「書くというのは『欠く』や『掻く』と音が通じておりますとおり、疵でもあるわけです。文字の起源は文身だそうですが、私においての文字は、心象の疵」と、取材班が賢治の肉声を伝えてます。

賢治だけではないです、内田百閒や北原白秋、稲垣足穂とおぼしき文人、元発電所技師やイーハトーヴの郷土史研究家ら、賢治と作品にゆかりの人物が続々と登場します。その多様な”語り”が、「銀河鉄道の夜」や「春と修羅」といった名作の逸文とともに、没後80年を経てもなお人々を魅了する賢治の文学世界の多彩な深さを浮き彫りしています。これが優れた”賢治入門”にもなっています。かのパナマ帽姿の詩人の生身を捉えるために、著者は、特に賢治の科学への造詣と秀抜な観察眼の解説に注力してます。何より「彼の作品の研究は妄想の尽きない愉しい趣味」との一文通り、夢と日常、虚と実、生と死の境界が揺らめき、限りなく想像の膨らむ場こそ「銀河通信所」なのである。宮沢賢治の魅力を十分に伝える人たちの声が楽しめます。