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感想・書評『深川恋物語:宇江佐真理・著』ネタバレ注意「吉川英治文学新人賞受賞作品」(レビュー)。 #読書

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「深川恋物語」宇江佐真理・著 吉川英治文学新人賞受賞作品

時代小説の名手「宇江佐真理」の短編集です。江戸時代の市井の暮らしを、情感を込めて、ていねいに描き出しています。
まじめに生きた人々の暮らしを見つめる作者のまなざしには、とても暖かいものがあります。短編が6編収録されていますが、どの作品も素晴らしい出来です。
「下駄屋おけい」では、大店の娘でありながら、近所の小さな下駄屋に嫁ぐ娘のエピソードです。嫁入り前にあつらえる下駄の出来具合で、人生の行き先が変わりますが、それは本人の選んだことで、苦労とは思わないのでしょう。
「凧、凧、揚がれ」では、近所の子供たちに凧作りを教える「凧師」と、子供たちの交流を暖かく描いています。凧つくりを教えた子供が大きくなって嫁入りする時に、子供たちでたくさん凧を上げて、送りだす話やら、正月に揚げたかった凧作りが間に合わずに、亡くなってしまった子供の話やら、心温まる話、悲しい話が、盛り込まれています。
江戸の庶民の暮らしを丁寧に描いており、作品を読んでいると、自分も近所で暮らしているのだと、思いこんでしまいそうになる名作揃いです。