」で便利でお安く。「乱れからくり」泡坂妻夫・著 日本推理作家協会賞受賞作品
思ってもみなかった結末に、とても驚きました！まさかそんな仕掛けになっていたとは・・。
祖先までさかのぼっての因縁話をもとにして、ある家族の中で、何人も次々と殺されていきます。
語り手となる主人公は、ある興信所（と言っても所長一人だけ）の、新入社員です。たちまち事件に巻き込まれてしまいます。
後をつけていた車が「隕石」に当り、依頼者が亡くなってしまいます。なんという物語の幕開けでしょうか！
全く予想もつかない展開が次々と起こり、昔懐かしい「迷路」「地下通路」「隠された財宝」と、ミステリー初期の作品と、共通する仕掛け、味わいの物語です。
「江戸川乱歩」や「横溝正史」などの、過去の名作のテイストをうまく織り込んでいます。ミステリー好きにはたまらない作品です。
あまりに裏切られてばかりの展開なので、途中からはもう素直に物語を楽しむことにしました。
世にもまれな「隕石」による事故死は、罰が当たったのだと、後になって思える事件の展開でした。途中で休むことができないほど、集中して読了した作品です。
