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感想・書評『ねじまき片想い~おもちゃプランナー・宝子の冒険:柚木麻子』ネタバレ注意「考えられないほどの能力と幸運に恵まれた人が必ず出てきます」(レビュー)。 #読書

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ねじまき片想い~おもちゃプランナー・宝子の冒険~

「ランチのアッコちゃん」で有名な柚木麻子さんの本です。東京創元社から出ています。柚木さんの本は、女性の暗くて、陰湿な部分が出てくる本と、明るく軽く、気持ちがすっきりする本とに分かれるようで、私は、後者の本が断然好きです。
疲れたときや、ページが多くて細かい文字の本を読みたくない時に読みます。
「アッコちゃん」シリーズもそうですが、考えられないほどの能力と幸運に恵まれた人が必ず出てきます。
この本では、宝子さんです。いつも、ローラアシュレイの食器でお茶を飲み、完璧なほどの料理の腕前、そして、おもちゃを作る上での溢れる才能。読んでいて、普通は、妬みが出てきそうなんですが、ここが柚木さんの登場人物のすごさ。憎めなくて、可愛いんです。宝子さんは、片思いの人に何年も告白出来ずにいます。会社の同僚もそんな宝子さんにやきもきします。それに、片想いの彼もふらふらしていて、なかなか宝子さんの気持ちに気づきません。二人以外はみんな知っているのに。
宝子さんの「恋する」パワーは、いつも方向違いの物に向けられます。でも、周り回って結局彼の為になってるんですけどね。
殺人あり、スリのオバサンが出てきたりと、バラエティーが豊かというか、めちゃくちゃですが、最後にハッピーエンドで終わります。宝子さんが最強です。