芸人迷子/ユウキロック:あの芸人の引退秘話
M-1準優勝まで上り詰めた漫才コンビのハリガネロックが結成から解散に至るまでを、ボケ担当のユウキロックが綴ったエッセイです。賞レースで結果を残しても、テレビバラエティで活躍できないと食べていけない現実や、時代に求められる漫才とは何なのか。引退を決意した芸人だからこそ書けるリアルな裏話が満載です。
また、著者の元相方ケンドーコバヤシや、千原ジュニア、松本人志など名だたる芸人とのエピソードも満載なので著者を知らない人にもおすすめです。何よりも、これからお笑い、特に漫才の道を志す若者には読んでほしいです。一つのネタを作ることにこれほどまで苦悩し、漫才を愛せば愛すほど、世間に迎合できずに泥沼にはまっていく、その覚悟が持てるのか、この本は問いかけてくるようです。それは他の職業にも言えることでしょう。しかし、解散を選んだ彼等は苦悩の果てにそれぞれの道を見つけることができたので、読後はほっとした気持ちになります。