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感想・書評『近世畸人伝:伴蒿蹊』ネタバレ注意「江戸の変人大集合」(レビュー)。 #読書

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江戸の変人大集合:『近世畸人伝』(伴蒿蹊)

世の中には変わった人が何人もいますが、数百年後まで語られる変わった人はなかなかいません。『近世畸人伝』は江戸時代に実在したと言われる畸人の記事を集めた1冊です。鉄砲水に襲われた時に養子を背負い、実の子を歩かせた女性。由緒正しい士でありながら、生涯を路上生活で過ごした男。何か一芸がある人物であれば誰でも自宅に住ませた男。

現代人ではもはや理解できないほどの変わった人物のオンパレードです。これほど変わった人物は現代では絶対に見ることができないでしょう。しかし、彼らに共通するのは自分に素直に生きていた姿勢です。世間体にとらわれずに自分の生き様を貫き通した彼らを変わった人とみなしてしまう私たちは、本当に人生を謳歌していると言えるのでしょうか?「畸人」と呼ばれた彼らの生き様の方が、人生を謳歌しているように思いますし、「畸人」という言葉は「自分もこうなりたかったのに」という普通の人の僻みなのかもしれません。自分の人生を貫き通した変わった人の生き様を知ると、少し心がラクになるかもしれません。