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感想・書評『六条御息所源氏がたり上下巻:林真理子』ネタバレ注意「光源氏の生涯をあの世から眺めている、と言うようなスタンスです」(レビュー)。 #読書

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六条御息所源氏がたり上下巻 林真理子さんの読みやすい源氏物語

今まで何回も源氏物語を読もうと思い、色々な作者の源氏物語を読みましたが、いつも途中で脱落してしまいます。
最初は読み進める事が出来るのですが、段々解釈が難しくなって投げ出してしまいたくなるからです。
林真理子さんの源氏がたりは源氏物語の登場人物の1人である六条御息所が語り手となって光源氏の生涯をあの世から眺めている、と言うようなスタンスです。
難しい説明調ではなく、1人の女性として1人の男性を愛し、また愛しすぎた故に嫉妬に悩む様を表現していていると思います。
また、光源氏を取り巻く女性達の心境も女性ならではの視点で書かれているので、感情移入がしやすく今まで書かれていなかった女性達の苦悩を垣間見る事が出来ました。
今の時代と源氏物語が書かれた時代では生活スタイルも男女の価値観も全く異なる事が多く、そんな事でこんなに悩む事があるのだろうか?と驚く事も多いです。
女性の価値を家柄、美しさで判断するのはきっと、今の時代では受け入れられないでしょう。
そんな価値観のズレも押し付けるような内容ではなく、ふんわりと解説されているのが読みやすさの一員だと思います。
光源氏の生涯を描いているので最後は光源氏が浄土に迎えられるまで書かれています。それでも、暗いドロドロしたような表現ではなく、六条御息所が光源氏を心底愛し抜いた達成感を感じる晴れやかな表現になっています。