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感想・書評『ピエロがいる街:横関大・著』ネタバレ注意「兜市役所の秘書課で働く今西比南子の目線で物語は始まります」(レビュー)。 #読書

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「ピエロがいる街」 横関大・著

兜市役所の秘書課で働く今西比南子の目線で物語は始まります。市内にある製薬会社の移転により、財政難でピンチに陥る兜市。そんな兜市のリーダーは「開かれた市政、会いにいける市長」をスローガンに掲げる宍戸市長です。その言葉通り、毎日のように一般市民が市長を訪ねてくる様子にはびっくりしつつも、思わずくすっと笑ってしまうような滑稽さがありました。
一方、就職活動に悩む大学生の立花稜の前にピエロが現れます。夜な夜な市民の小さな悩みを解決するべく奔走するピエロに誘われ、稜はピエロの助手となったのでした。
ミステリー要素も絡めながらストーリーは進んでいき、クライマックスでピエロの正体は実は市長なのではないかと読者はミスリードさせられます。しかしその直後ピエロと市長が同じシーンに登場するので、あれ?と思ったところで市長の意外な人物像が分かる展開には思わずニヤリとしました。人間の思い込みを逆手に取っていて見事ですね。読後感は本当に爽やかで、明るい気持ちになれる素敵な一冊でした。