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感想・書評『内藤陽介:事情のある国の切手ほど面白い』ネタバレ注意「動物切手に隠された政治的主張とは」(レビュー)。 #読書

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内藤陽介『事情のある国の切手ほど面白い』。動物切手に隠された政治的主張とは。

各国の郵便切手を紹介する著書ですが、政治的背景のある切手とその説明が並び、興味深かったりうんざりさせられたりしました。「事情をかかえた国」が発行する、その国の主張をアピールしたい切手ばかりなのです。
例えばベルギーには、食品が描かれた切手が多く存在しますが、それはつまりベルギーには民族対立を原因とする諸問題が多いので、無難に絵にできる題材といえば食品くらいしかないという現実を表しているのです。ほかには、ニュージーランドは国として捕鯨反対の主張を感情に訴えてでもアピールしたいのでクジラを切手の絵柄にしたり、イランでは核技術を平和目的で開発・利用している旨を示したいがためにハトをデザインした切手を多数発行したりなど、表面上は動物を扱っていても裏では政治的思惑にまみれていたという話が楽しめ、同時に政治臭い話にうんざりさせられる楽しみがありました。
その他、外貨を獲得する目的で発行される切手や、インフレのため金額を印字していない切手など、その国の政情を反映した珍しい切手の紹介も豆知識を仕入れられます。