蜜蜂と遠雷(恩田陸)読んでいると音が聞こえてくるような感覚になる
第156回直木三十五賞受賞に選ばれた本です。ずっと気になっていて、少し時期は遅くなりましたがやっと先日購入しました。ページ数が結構あり、読み始めはどうなることかと思いましたが、とてもおもしろく一気に読んでいきました。
私自身はピアノを習っていたという訳ではありませんが、難しい単語や専門用語などもあまりなく、ピアノ従事者でなくともスムーズに読み進められます。ピアノコンクールに挑む何人かの登場人物のストーリーですが、ひとりひとりの状況がとても詳しく書かれています。わたしのお気に入りは、最後まで「カザマジンくん」でした。彼が登場してきたところから彼の最後までとても興味深く、一気に読みたくなるほど引き込まれます。本からピアノの音が聞こえてくる訳ではないのですが、恩田陸さんの文章の表現がとても素晴らしく、どのような曲かということがイメージできます。恩田陸さんの細かい独特な表現力に魅了されてしまいました。途中涙が出てくる箇所もありました。音楽をやっていない方でも、どなたにでもぜひ読んでいただきたい素晴らしい小説です。