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感想・書評「最後の秘境 東京藝大 二宮敦人著」ネタバレ注意・日本の最高峰の芸術の凄さを知りました(レビュー)。 #読書

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最後の秘境 東京芸大 二宮敦人著を読み、日本の最高峰の芸術の凄さを知りました。

私は昔から芸術観に乏しく、その方面に才能のある人には一目おいていた。音楽でも美術でも、私がどんなに努力しても勉強しても追いつけない、真似のできない領域だからだ。その芸術界の最高峰の大学が東京芸大。芸術界の東大と言われているそうだが、名前は知っていてもどこにあるのかは知らなかった。

よくクラシックコンサートなどで現役芸大生と紹介されて、芸大を知る人は驚くのだが、その凄さが今一つピンと来ない自分には実に興味のある本だった。音楽校と美術校に分かれているのだが、様子が全く対照的というのが実に面白い。音楽校はセキュリティ万全の校舎で、女子力の高い女子生徒が多い。一方で美術校は美術に没頭し、日常を忘れているのか、化粧をしている女性が少なく、どの生徒もがっちりしたガテン系のような体格という。大きな彫刻を仕上げたりするので腕力が鍛えられてしまうらしい。そんな美術校は徹夜の作業など日常茶飯事で校舎は開けっ放しだという。外見から日常生活の至るところまで、音楽と美術では対照的になってしまうのだが卒業後を考えた場合も両者は対照的であることは実に面白い。音楽に携わる仕事は賞味期限がある。体力的にもきついため、定年60歳とはいかない。若いうちにしか出来ない仕事なので在学中から楽団に属したり、アピールする場所を求めるという。一方で美術は定年がない。定年まで働いた人が美術を学ぶために芸大に入学する人がいるとは驚きです。しかし、美術で食べていけるのは、ほんの一握りというから好きなことを職業にする難しさを痛感した。ここまで対照的な音楽と美術だが、最後に芸術の調和という締め方をしている。芸術である以上、どこかで繋がるのではないか?芸術とは無くても良いものだが、分かる人には分かるもの。人を金銭的に裕福にはしないが、心にゆとりや豊かさをもたらすものと考えます。多くの人の心を豊かにする技術を持つ芸大生を素敵な存在と思え、お金のためにしか働いてこなかった自分にもっと人生において大事なものは何かを教えてくれる一冊でした。