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感想・書評「みをつくし料理帖 八朔の雪:高田郁」ネタバレ注意・約200年前、江戸の世では珍しい女料理人の小説(レビュー)。 #読書

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『みをつくし料理帖 八朔の雪』高田郁

今から約200年前、江戸の世では珍しい女料理人の小説です。
大阪の生まれで、災害孤児となった主人公・澪(みお)が、老舗料理屋の女将に拾われて、女料理人として成長して行きます。
この澪が、何とも不運の持ち主。通りがかりの易者に、数々の災いがやってくる「雲外蒼天(うんがいそうてん)」と占われ、その通りに次から次へと災難に見舞われます。拾ってもらった料理屋が家事で焼け、主を失い、女将と江戸へ逃げるも、仕事がなく生活に困る日々。そんなとき、澪に亡き娘の面影を見た蕎麦職人の種市(たねいち)に「うちの店で料理人として奉公しないか」と雇われて。
澪は、江戸と大阪の味の違いや、江戸の人たちの見栄っ張りな性格、大店の料理屋による嫌がらせなどに翻弄されながらも、料理人としての自分を模索する姿は、素直な気持ちと芯の強さの大事さを感じました。凛としたい、と思える女性です。
また、登場する料理の美味しそうなこと。出汁がらのカツオの削り節を使った田麩、玉子をたっぷり使ったとろとろ茶碗蒸し、寒い季節に江戸の人々の心も温めた酒粕汁。巻末にレシピも載っているので、物語と同じもの食べたさに、たまには手間暇かけた料理がしたくなります。
澪が易者から言われた「雲外蒼天」。困難が休む間もなくやってくるという意味ですが、「厚い雲を掻き分け続けていれば、最後には突き抜けるような青空が見える」という意味もあるのだとか。澪と共に青空が見たくて、一息に読み進めてしまう物語です。