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感想・書評「鼠小僧次郎吉:芥川龍之介・菊池寛・鈴木菊次郎」ネタバレ注意・彼を主人公にした3編の物語をまとめた(レビュー)。 #読書

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『鼠小僧次郎吉』(芥川龍之介・菊池寛・鈴木菊次郎):痛快な鼠小僧の活躍

富める者から金銭を盗み貧しい者に分け与え、義賊と称された鼠小僧次郎吉。彼を主人公にした3編の物語をまとめたのが、『鼠小僧次郎吉』です。まず、芥川龍之介の『鼠小僧次郎吉』はアイルランドの『西方の人気者』のプロットに鼠小僧の活躍を当てはめたものです。

鼠小僧が泊まった宿に、男が盗みに入って捕まってしまいますが、その男は自分を鼠小僧と偽ります。そこに本物の鼠小僧が現れて「鼠小僧なら死罪だが、本当に鼠小僧か」と問うと、死罪を恐れるあまり鼠小僧ではないことを白状してしまうという笑える短編です。次の菊池寛の『鼠小僧外伝』はある殿様が名工に自分の像を彫らせたところ、自分の醜い部分まで見事に表現されてしまい、屋敷にたまたま盗みに入った鼠小僧にその像を盗むように依頼するという物語です。像の銀の土台だけ盗まれて像そのものは残る結末部に思わず笑ってしまいました。最後の鈴木金次郎『絵本鼠小僧実記』は鼠小僧の生涯を描いた王道の作品です。鼠小僧と稲葉小僧の伝承が混じり合っていることがよく分かる作品です。収録されている作品は全て現代語訳されており、小学生でも読めるような簡単な内容になっています。親子で鼠小僧の活躍を読んでみてはいかがでしょうか。